エイプリルフール

もうずいぶん前のことだが、ウイルス脳炎後の高次脳機能障害の患者さんで当時とても退院など考えられなかったのだが、主治医を他の先生に交替してしばらくして退院できた方がおられる。交替した主治医が転勤して、数年前から再び私が主治医となった。今月の1日、外来受診時に「調子が悪い」と言う。そして「今日は何の日かわかりますか」と続けた。「元気です。どんな嘘をつこうかと考えてました」と。ウィットをきかせた会話ができる彼女はずいぶん回復していると思った。