エイプリルフール

もうずいぶん前のことだが、ウイルス脳炎後の高次脳機能障害の患者さんで当時とても退院など考えられなかったのだが、主治医を他の先生に交替してしばらくして退院できた方がおられる。交替した主治医が転勤して、数年前から再び私が主治医となった。今月の1日、外来受診時に「調子が悪い」と言う。そして「今日は何の日かわかりますか」と続けた。「元気です。どんな嘘をつこうかと考えてました」と。ウィットをきかせた会話ができる彼女はずいぶん回復していると思った。

シクレスト大流行

ここのところ、シクレストを処方される患者さんが急増している。

2月は30人の入院患者さんと18人の外来患者さん、延べ46人の患者さんにシクレストが処方されていた。

昨年5月に発売されてから2月末までに、延べ105人に処方されたことになる。

今日、「舌と一体化してしみ込んでいく感じだ。薬を飲んだ感じがしない」と述べた方がおられた。

「神」を「普通の男」にしたシクレスト

「俺は神だ」と言い、家を破壊し、ショッピングセンターで叫び水をかぶり捕まった男は、シクレストですみやかに「普通の男」になった。現実的になった。

服薬を拒否し続け、主治医を見ると怒鳴る男も診察室に入ってくるようになった。

シクレストの威力はすごい。

シクレストを服用している人は明るくなる、安心して外に出やすくなるようだ。

投与初期に眠ってしまわない。

力不足のように見えかけたが、そうでもなさそう。

あきらめていたことを実現できる可能性のあるシクレスト。

シクレストにはまだまだ隠された魅力があるようだ。

舌下という特殊な服用であるため、いかに正確に服用してもらえるかが大切だ。

しかし、一般化するには早過ぎる。

6月に長期処方が可能になるのが楽しみである。

マイナンバーカード

急に印鑑証明が必要になり、次の週休の時に役所に行かないといけない、面倒くさいなと思っていたが、マイナンバーカードを使い、セブンイレブンのマルチコピー機で簡単に取得できることを知った。おかげで15分ほどで用事が済んだ。
便利な時代になったものだ。

いきものがかり放牧宣言

え~~~っ?いやぁ、ちょっとショックを受けた。

3人での活動を休止だって。

いきものかがりの曲は常に気持ちを前向きにしてくれた。

しばしば曲が頭の中を流れていた。

残念でならない。

コンサートに行きたかったが、結局、チケットが取れないまま終わってしまった。

いきものがかりは3人が帰って来る場所です。またみなさん笑顔で、会いましょう! それでは行ってきます。放牧!」との最後のメッセージを信じよう!

好きだった。いきものがかり・・・

 

2016年最後の日

昨日は日直も当直もけっこう忙しかったようだ。担当の先生方、お疲れさまでした。
私は今日が日直であったが、とても静かであった。例年、年末の29~30日と年始の3日は混雑するが、大晦日と元旦は静かなことが多い。
今日は早々と帰宅することにした。
今年は私としてはめずらしく、年間の半分くらいが体調不良だった。全身が痛んで立ち上がれなくなったり、脱力で物が掴めなくなったり、ひどい咳が3ヶ月も続いたり(Web講演中に咳を抑えておくのが大変だった)、そけいヘルニアの手術はうまくいき、とても快適になったが、その後はめまいや耳鳴り。血圧は高目だし、脂質もかなり高いし、血糖も上昇傾向。老眼は進み、視力が保たれている眼の円錐角膜もおそらく進み、物が見えづらい。来年の課題は、「老化との戦い」になりそうである。
そして来年はできる限り、身の回りの整理整頓をしたい。余計な物をなくしたい。
勤務先の病院は、どんどん救急病床を増やし、年が明けると全国でも有数の救急病床数が多い病院になるようである。気づくと、とてもよく働いているのは、いつの間にか若い先生方が中心となっている。最近、自分が役立たずと思えてならない。時代の流れにかなり乗り遅れていることに気づかされる。次の世代に伝えるべきことをまとめる時期がきているようだが、自分にはとてもそのような能力がない。
と言いながら、今、1月中旬の「シクレストの使用経験」の講演準備を進めている。新しい抗精神病薬が上市された時に、どのようにその薬剤を評価するかについて話してみたい。この時間が一番楽しい。しかし、それも楽しめない時がまもなくきそうである。